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JR住吉駅に降り立って迎えてくれたのは、オオーッ！この日突如として吹き荒れた春一番にバサリとはためく「情熱」の文字！！炎が燃えてます！ウ～ン、いよいよ高まる期待！

ジャーン！いきなりですが、ご紹介いたします。
「エスプレッソを語らせたら3時間」、オーナーの末廣憲賴さん！
低くなめらかな良く通る声は、まるでエスプレッソのよう（？）

末廣さん、この道に入られたきっかけは？とお聞きすると、大学進学で上京する時にお母さまが「自炊のために」と持たせてくれた一冊の本にあったのだそうです。その自炊のための本というのが、なんとイタリア料理のグルメ本！
で、その本に書かれた通りに作ってみると「うっま～～～い！！！」
友達を呼んでイタリア料理を振舞ってみると、これが大評判！
「スッゲー！自分で作るものが、うまーーい。料理で自己表現できちゃうよ！」と思った末廣さん、早速イタリア料理店でバイト兼修行を開始。そして大学卒業後は、そりゃ～当然(？)、イタリアへ！
う～ん、これはまさに「情熱」！「イル・アルドーレ」！！

イタリア語の飛び交う厨房では、イタリア人シェフたちの身振り手振りを観察しつつ意味を推測。自分もその言葉を使ってみると、ワ～～オ！通じるよー！半年もしないうちにイタリア語をマスターと思いきや、それはやっぱり厨房のイタリア語。「あんたは言葉が荒いよ」と言われ、慌てて丁寧な（というか普通の）イタリア語を勉強し直したとか。
それにしてもこの行動力こそ「情熱」！私も見習いた～い！

さて、では何をオーダーしちゃおうかなっと？えーと、これは外にあったメニューですが、ポップアップで読むことができますよ。あ、パニーノもありますね。これはプロシュートやチーズを使ったイタリアの代表的なサンドイッチ。
でも今日はしっかりと食べたいから・・・・ん？「いぬなき豚」？「いぬなき」って犬が鳴くの？犬が鳴く豚？変わった名前…。じゃ、その犬鳴きの「タリアータ」とやらにいたしますわ。

まずはシンプルなサラダ。

このパンは変わってますね。フランスパンなのに全粒粉。

全粒粉なのでしっとりと重みがあって、手で裂くとブランの芳ばしい何とも言えない香りが立ち上りました。かなり気にいって、お代わりしちゃいました！

「いぬなき豚のタリアータ」。ワタクシは知らなかったのですが、これがなんと！幻の豚ともいえるすごい豚だったんです。なめたらいかんぜよ。

あ、「タリアータ」というのは「切った」という意味だそうです。うん、確かに切ってあります（＾o＾）
ところで「いぬなき豚」一口食べてビックリ！お皿に乗せる前に「切った」わけが分かりました。すんごい噛み応えがあるんです。いい感じの。ザクザクザクといった風な・・・・。さらに肉の味が濃い。神戸牛顔負けのサシが入っていて脂身も甘く、しかもサッと溶ける。

バジルソースとバルサミコがこの見事なザクザク豚を引き立てていますよ～～。美味しすぎーー！！

ポッペピーナプロプロルーネガヴエリコリーナベロベロバーーー・・・・・・なーんて、一言も読めませんわ。

バール（BAR)には欠かせないのが、このバーカウンター。あちらイタリアではBANCO(バンコ)と呼ばれるそうです。常連さんはここで立ったまま食べたり飲んだり・・・・。
イタリアでは足掛けのバーが下にもついていたりするそうですが、末廣さんはバーは上だけにしたそうです。慣れてない日本人にはその方が安全かもしれませんね・・・たぶん。

ちなみに、バールではBANCOで飲み物を飲むほうが安くなります。たとえば、テーブルでは260円のカプチーノがBANCOでは130円。なんと半額！これはイタリアと同じやり方です。

一人で遊んでいてもつまんないから、ワタクシもBANCOに移動。

お隣の、目の大きな美しいお嬢さん。どうやらお得意さんのようです。「泉州いぬなき豚の特製キーマカレー」をオーダー。

「写されますか？」
ご親切に食べるのをやめてニッコリとカレーを差し出してくださいました。きっとBANCOのこの距離感がいいんでしょうね。知らない者同士、おしゃべりも不思議とはずみます。

おっ！奥の厨房ではトマトソースのパスタが飛び跳ねてますよ！

私はデザートの「ピスタチオとチョコレートのサラミ」。へ？「チョコのサラミ」って？て思っちゃいますが、ピスタチオと固いクッキーをチョコレートで固めて冷やしたもののこと。

冷たくてかなり固いです。でも口に入れると・・・・・濃厚なチョコレートが溶け出してピスタチオのいい香り。

さあ、ここからが本番です。これはイタリアのチンバリ社製エスプレッソマシーン。た・だ・し、たとえマシーンを使っても10人が淹れれば10人とも違う味になるのだそうです。

そこが！末廣さんの腕の見せ所なのです。

出てまいりました！芳ばしいアロマがまたたく間に立ち込めます。

シングルと呼ばれるこの分量に細かく砕いた砂糖を山盛り二杯！！

砂糖はいったん厚いクレマ（泡）の上に浮いて・・・

ジュボン！！沈みました。

はいーーー。次の瞬間、このエスプレッソは末廣さんに取り上げられ、ポイ！あ、あれ？と、気がつけば、目の前には淹れたての新しいエスプレッソ。？？？？飲むべき瞬間を、撮影のためにワタクシが逃してしまったからだそうです。すっごーーーーい。ダンディ～～～！

再び砂糖を二杯入れてよくかき混ぜて、一口、二口、ハイおしまい。信じられないお味です！例えるならば、工場生産のチョコレートしか食べたことのなかった子供が生まれて初めてショコラティエの作る極上のチョコレートを食べた、ような…。

う～ん、じゃあ今まで飲んできたあのコーヒーは？？ありゃ何だったのよー！

こちら、近くに勤務されている三宅さん。毎日、1回か2回は来られる常連さん。それってイタリア人がイタリアのバールでやっていることと同じじゃございませんの？あなた、イタリア人？

「そうですよ～。ボクの伯父の従姉の嫁さんの妹の婿さんがイタリア人で・・・・・って血ィーつながってぇへんやん」

リアクションは完全にイタリア人ではなく関西人でしたが・・・・・この三宅さん、大のコーヒー嫌い（だった？）。しかしある日、お父さんに無理矢理ここに連れてこられて「とにかく飲め」と。それ以来、ここのエスプレッソのとりこに！昼食後はここで一杯、休憩にもここで一杯。そうしないと眠くて午後は仕事にならなくなったそうです…。

ただし、よそのコーヒーは未だに嫌いで飲めないそうです！

末廣さん、さっきから気になってるんですけれど、あの瓶に入ってるの何ですか？
「あ、大きい方がチャパタ。イタリア語でスリッパって言う意味です。小さいのがカンツッチョ。固いビスケットです」
「イタリア人はあんなスリッパはいてるのかー」
と、三宅さん。んな、あほな。

カンツッチョいただきました。トスカーナのお菓子だそうです。確かに、カタ～～イ。でも、ボリボリ食べてると甘くて美味しーーい。

末廣さん、私のイメージでカプチーノを作ってくださいました。やっぱりネコですね。自分でもそう思いますもの。

絵を描くのは慣れだそうですが、絵を描くことのできる細かい泡のミルクを作るほうが難しいそうです。

なんだか飲むのもったいな～い。そっと口をつけると、細面のちょっと美ネコになったかしら・・・・？

ところで私が次に訪問すべき、末廣さんおすすめのお店教えていただけますか？
「芦屋の国道2号線沿いなんですけどね、ご夫婦でやっておられる港式料理「福福」。あそこは美味しいですよ！」

やった！中華だ！それでは次のワタクシのミッションは→→→港式料理（んーどんなお料理なのかな？）の「福福」。ワクワクでーす！

末廣さん、今日は「いぬなき豚」といい、驚嘆すべきカプチーノといい、イタリアのバールといい、さまざまな未知の体験をさせてくださってありがとうございました！

さて、毎度ご好評をいただいております人形コント。ここ「イル・アルドーレ」にはお客さんからのプレゼントの人形がたくさんありました。その中から選りすぐりの4人衆にこの度はご出演願いました。題しましては「助けてーーー！・・・・いらんわ」。

うぎゃうぉぉぉおおーーーーー！！腹減ったどー。何ぞ食いもんないぎゃわらぎょげれぇぇぇぇぇーーーい！！

ハチ雄「うわーー。恐いのが出てきよった。おとーちゃーーん」
クマ子「うぇ～～～ん。恐いよー。おとーちゃ～ん。助けてー」

お父ちゃん「すーはーすーはー。大丈夫や～すーはー。ワシがすーはー、退治したるさかい。すーはー」

ハチ雄「あかん。おとーちゃん、顔だけ立派やけど体ヘナヘナやぁーー」
クマ子「ヨレヨレや～。あんなん勝たれへん」
ハチ雄「せやけど大丈夫や。不味そうやから、恐竜に食べられる心配はないわ」
クマ子「ほんまやー。ここから見物しとこかー」

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イル・アルドーレ
神戸市東灘区住吉本町1-3-12 1F
TEL：078（842）6268
営業時間 ランチタイム11：30～14：30
　　　　　　 カフェタイム14：30～18：00
　　　　　　 ディナータイム18：30～22：00（フードLO）22：30（ドリンクLO）
定休日 月曜日　第2・4火曜日

夜の→メニュー→ドリンクの一部