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2006年6月21日

●アートなお好み焼き?「ねぎ作」

遠い昔の子供の頃、私は絵を習いに行っていました。

アトリエには先生の用意した花や瓶、流木、使途不明のガラス玉、なぜか蛸壺(?)・・・・ま、そんなものが絵のモデルとして用意されていました。

で、その先生がいつも言っていたことがあります。

「よく見てご覧、あの蛸壺はザラザラやな。だからザラザラ、ザラザラ、ザラザラ・・・って言いながら描くんや。このガラスはツルツルやろ。そしたら、ツルツル、ツルツル、ツルツルって言いながら描くとええんや・・・・」

そして言われたとおりにザラザラとかツルツルとか言いながら描くと、それが不思議と存在感のあるいい絵になったものでした。

何でそんな絵の話がお好み焼きと関係あるのかって?ここねぎ作に来ればわかります。

ここのネギ焼きの思いっきり美味しい理由は、このザラザラ、ザラザラ、ツルツル、ツルツルと同じ心なんです。

まあ、こう言ってもわかんないでしょうからちょっとご一緒に中に入りましょう。

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ねぎ作阪急神戸線沿いに阪神間を貫く山手幹線を西に向かって走っていると六甲を少し過ぎたあたりで左に見えてきます。真っ白の壁が結構目立っています。六甲近辺にお住まいなら見たことある方は多いいんじゃないかな。夜はライトアップしてるし・・・。

私はこのお店ずっと気になっていたんですけれど今日は「P有り」と書かれた小さな張り紙に気づいて、急きょ車をUターン。ただし駐車場があるわけではなく、近くのコインパーキングに入れたらその料金はお店が持つヨという意味だったんですけれどね・・・。まあこのあたりで店が専用駐車場持つのは難しいです。

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「いっらしゃ~い」。この方が店長さん。鉄板系料理の天才です。

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え?どこが天才かって。まあ待ってください。まずこれが「ネギ焼」。キャベツを入れれば大きなお好み焼になるのに、あえてネギのみ。贅沢です。

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「ネギ焼」は甘辛く煮たこの和牛のスジが人気です。

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さあここまで、店長さんの手元だけを見てきました。へ? ああ、これも手元だけですね。「お好み焼」の上にさらに玉子で溶いた小麦粉をかけています。では、写真をクリックしてください。このときの店長さんの顔が出てきます。

ね!ね!ね!わかります? 「とろーーり、とろーーり、とろーーり」って、店長さんご自身が溶き小麦粉になりきっておられますでしょ。

「ボクはおたまからほそーく注ぎ出されて完成まぢかのお好み焼きに降り注ぐーーー」

そう思っておられるかどうかは、あくまでも私の勝手な想像です。
でも万事そんな感じで作っておられるんです。てんかす乗せるときは「ガサガサ、ガサガサ、てんかすはガサガサ・・・」。

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タレは選り取りみどり。

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ノン・アルコール・ビール。かなり良心的な値段です。

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「ゲステル」。その向こうにぼんやりと見えているのは作りかけの「すじオムレツ」。

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両手をそろえた丁寧な手つきで「すじオムレツ」は巻かれます。さらにもう一度手前に引き寄せてクルックルックル。巻きを硬くしておられました。

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さっきから実はずっと気になっているニンニク。これだけ食べたら元気が出そう。私の後ろの小さなお孫さんたちと来られているおじいちゃんとおばあちゃんの席に運ばれていきました。子守もスタミナ勝負ね!

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贅沢にホタテをいっぱい乗せた「広島焼」。
こうやって誰か他の人が注文したものが出来上がっていくのを見ているというのもいいものですね。なんだかタダでご馳走食べているような気がしてきます。

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とろとろ玉子の「オムそば」。ダシと生クリームで溶いた玉子は、フワフワとろとろの状態で焼きそばの上へ。このチリトリ見たいな(失礼!)道具でテーブル席に運ばれていきました。

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さあ、ついに私の注文した「ネギ焼」の豚とタコ。しかしここから焼きあがるまで、たっぷり時間がかかりました。

「おい、どうだい具合は」「お、いい感じだね、でもまだまだだよ」「さあもうそろそろかな、じゃあちょっと鉄板の位置移動してもうちょっと待機してもらおうか」

なんだか店長さん、「ネギ焼」と会話しておられるみたいな焼き方されるんですよね。それに自分の注文したのが焼きあがるのを見ているとすごく時間がかかってるみたいに感じます。他人のだとそうでもないのに・・・。店長さんと「ネギ焼」の会話は続きます。

「さあレモンを絞るよ。ちょっと酸っぱいけど我慢して。ギュッ」「はいお次は醤油」

もちろん店長さん、声に出してそんなことおっしゃっておられませんよ。あくまで、私がそう感じただけです。念のため。それくらい慈しみ深く「ネギ焼」を作っておられるんです。

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さあ!!できた。おろしポン酢で食べます。
いい感じにカリッカリ。もうどうしましょう。こんなに美味しい「ネギ焼」を食べたのは、大げさではなく初めてです。レモンの香りもとてもいいですね~。

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この張り紙も気になります。「そばめし」

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「そばめし」は神戸の下町長田で40年前に生まれました。工員さんがお弁当を持って工場に行くんですけれど、お弁当だけではどうもお腹がすく。そこでお好み焼き屋に行って焼きそばを注文するんだけれどそれだけでもお腹がすく。かといって他にも注文すると高くつく。
「おっちゃん悪いけどこの弁当のご飯、その焼きそばと一緒に焼いてくれへんやろか」
誰ともなく言い出して生まれたのがこの「そばめし」、というわけです。

大きなコテを二本使って両側から蕎麦を切りながら、ガンガン作っています。見ていてもかなり大変そう。
豚肉と牛すじ、それに海老が入って結構豪華版です。

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完成!今ではなぜだか全国版のB級グルメとして有名になりつつあります。なぜなんでしょうね?

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お味はとんかつソース味のチャーハンという感じです。中に入った牛すじがコリコリして絶品でした。

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かつお節を振り掛ける。

高い位置から指先を使ってだまにならないように巧みにフリフリフリ。店長さん、この時もかつお節っぽくなっておられました。

早坂

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神戸市灘区六甲町2-5-18 朝日プラザ六甲町
TEL 078-881-2888
営業時間 17:00~02:00
定 休 日 月曜日

ネギ焼   ぶた・・・・680円
       たこ・・・・・780円
お好み焼 ぶた・・・・・660円
広島焼 貝柱・・・・・・890円
オムそば ぶた・・・・780円
すじオムレツ・・・・・・630円
そばめし・・・・・・・・・950円

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