●"ザ・シェフリンク"第24弾!北野坂・こだわりの寿司処「味方屋」の大将を中央卸売市場に追え!!
今回は「ザ・シェフリンク」第24番目のお店。
かの情熱のスペイン料理。東門街「オリーバ」の東山シェフからご紹介いただきましたるは、北野坂に位置いたします寿司処「味方屋」。
なんでも、おそろしくネタにこだわる大将の店だとか・・・。ならば!ワタクシ、大将が寿司のネタを買っているところを待ち伏せいたしますわ!
ミッション・インポッセブル。
こだわりのネタを買い込み満面の笑みを浮かべる「味方屋」の大将をカメラに収めること。
この不可能にも近い使命。可能にしてみせるわ!
場所は・・・神戸市中央卸売市場 本場。時間は・・・
いや~ん。朝の4時45分。月がまだ出てるじゃなーい。
気を取り直し・・・さっそく今日のワタクシの司令塔でもあり「味方屋」の大将の娘婿でもあり、なおかつ中央卸売市場の魚屋でもあるミスター・ミムラにTEL。
ミスター・ミムラ、ミスター・ミムラ、応答願います。只今こちら、中央卸売市場 本場の時計塔の下にいます。
「ああ、も~着いたぁ~?ほしたら、そのまま正門ズドーンと真っ直ぐ突き当たるまで入ってぇ。そろそろ、競り始まっとう思うで」
へ?勝手に入っていいんですか。じゃあ入ります。
およおよおよおよ、オエエ!およおえおよおえおよ、オエ!!およおろおよおえ、オエエ!!!
変な声が聞こえてきます。人間の声とは思えません。が、箱の上に立ったおじさんの声でした。
発砲スチロールをただ積み上げただけの箱の上に立っています。普通なら箱がバラバラと崩れ落ちおじさんしりもち、という図が浮かびますが・・・。
あとの人たちは上着の前身ごろに隠した手でオエオエのおじさんに信号を送っています。あ、左の一番前の人が競り落としたようですね。
おじさん、これなんて魚?
「これは、メイタ」
周りは魚の専門家ばかりですからね。片っ端から聞いちゃいます。メイタとはチヌのことです。お腹が膨れて・・・卵を持っているみたいですね。
小鰯だと思って尋ねなかったのですけれども、小鰯ですよね。競りの段階ではこんなにピカピカして綺麗です。
なんだかヒルっぽい魚ですがバケシタといって刺身にすると美味だそうです。
これはスペイン料理「オリーバ」のパエリアに入っていたハリイカに似ています。
競りも終盤。オヨオエのおじさんの顔に朝日がさしてきました。
夜明けです。競り場のこうこうと灯った無数の蛍光灯も、朝日にくらべれば暗く感じられます。
向こうは海。魚を運んできたらしき船が所狭しとひしめき合っていました。
ヒラス。ヒラマサのこと。高級魚ですね。
カンパチ。これも刺身にしたらたまりません♪太ってて美味しそう。
あわびではなくトコブシ。小さな鮑と大きなトコブシは見分けるのが難しいのですが、貝にあいたアナアナの突起が少ないのがトコブシです。
やっぱり気になるのは、オヨオエのおじさんが乗ってもなぜ発砲スチロールの箱はなんともないのか??
鮑。触手を伸ばして元気いっぱいです。
ヒラメ。すんごいツヤ。こんなにぬめりの厚く被さったヒラメってはじめて見ました。
へ!?運ばれていくこれは・・・マグロ!?
ああ!!もう競りも終わって、解体され仲卸の人に運ばれていくということは・・・ハッ!
マグロの解体、終わってるーー!ぶぅーー!・・・と一人ブーブー言っていると、後ろから声が・・・
「おねえちゃん、おねえちゃん。醤油ないけど、マグロ食べる?」
とマグロを差し出してくれるおにいさんが・・・。
食べる食べる♪もちろんですわん。・・・んーー!!醤油なしでも、まあなんて美味しーーー(^◇^)
もっと食べるー。これは骨の間のせせりと呼ばれる部分。
うひょ(^^)向こうに転がっているのはスペイン産の冷凍マグロ。
一方、ワタクシのお味見したのは・・・和歌山県 紀州勝浦産 生まぐろ。クロマグロと記されています。釣り上げられた日と、船の名前。漁獲量を調整しながら捕獲されていることも書かれています。飛びっきりの特急品ですわよ!!
頭も食べられるんですか?
「このエラの上の骨を残してマグロは全部食べられるよ」
とさっきのおにいさん。
ここで、フト気になり司令塔ミスター・ミムラに再びTEL。
あの、競りはもう終わったんですけれども。
「あっそう。ほしたらね、正門に近いほうの仲卸ってところに戻って○○番の××屋って言う魚屋のあたりにいて。そこに親父さん現れるはずだから・・・」
さて!いよいよだわ。
ん!?なにこれ?
「ミル貝」
答えてくれたのは仲卸の魚屋のおじさん。豚肉みた~い(^◇^)と申しますと・・・
「そうかな~」
と、1つ1つ丁寧に向きを変えてくださいました。
おお!豚肉ではなくて(←当り前です!!)貝だぁ~~。でも、狭いところに住んでるんですね、ミル貝って・・・。
これはよく見かける寿司ネタ。トリ貝です。
あれ?魚屋のおじさん、貝をこじ開けています。
「ほら、ここのところが鳥のクチバシみたいになってるでしょ。だからトリ貝って言うんだよ」
あらー、ワタクシのためにわざわざ開けてくださったの!?
大きい貝!!
「これはタイラギ。貝の平らな口の方だけを出して砂の中に隠れてるんだよ」
これも寿司ネタ!!こんなに大きな貝なのに、食べられるのは大豆みたいな形の貝柱だけ。・・・ってこんなに商品こじ開けてくださって、いいの?
レンコダイ。美しい~。
キンメもここまで新鮮だと色がまったく違いますね。
もうすぐ、スイカの季節です~。・・・ん?そうでしょ?スイカ。
赤貝。これも寿司ネタ。
関西の風流な夏の風物詩、鱧。しかし現物はかなり獰猛な顔をしていますね。
!!なに?これも鱧!?
「そうですよ」
と別の魚屋のおにいちゃん。大きい方が美味しいんですか?
「まあ、ほどほどのが美味しいですね」
ありゃー。どうするんだろう。こんな大きいの。骨切りしても骨が太そうですが・・・。
ウロコ取ってるの?
「そうだよ。たくさん付いてるからね」
おじさん、指が真っ白になってる。痛くない?
「ずっと水使ってるからね。冬は冷たいよ」
そうなんだ(~。~)
お寿司屋さんの海老。尻尾が虹色です。
岩牡蠣の季節ですね。大きい!!
これはなんだろう?
・・・6時を過ぎると業者の人が仲卸にたくさんやってきました。邪魔にならないよう外の柱の陰に待機。ミスター・ミムラに再び指示を仰ぐ。
「今××屋のとこ?そしたら、そこで待っといたらいいわ。親父さん、野菜買って7時過ぎには魚買いに来るから」
え゛ーーあと30分以上もあるじゃない。まあ、待ちましょう。・・・ ・・・ ・・・ ・・・
7時10分前。もしかしたら、「味方屋」の大将はフェイントをかけて早めに来てサッと逃げられてしまう恐れが!
慌てて、魚屋に戻る。「味方屋」さん、もうこられましたか?
「まだですよ~」
と魚屋のおじさん。ホットひと安心。
これは明石の天然鯛。
同じ種類の養殖の鯛。色が濃いです。でも天然鯛で地黒の鯛もいるので、色で見分けずにヒレの擦り切れ具合で見分けるそうです。天然鯛はほとんどキズがありません。
と、そこにやっぱり!!えらく早いお越しではございませんか。
わ!見つかったという顔の「味方屋」の大将。
ご紹介いたします。北野坂の隠れ家。寿司処「味方屋」の大将、小濱政行さんです。と突然、大将
「野菜買いに行く。野菜、野菜・・・」
はぁ?
「ずっとあそこで待ってたの?」
そうですよ。
「もー、はずかしいよぉ」
どうして?恥ずかしがったら余計に目立って恥ずかしいですよ。堂々としてた方がヘンじゃないですよ。
「いやぁ。魚屋さんに、はずかしいよぉ」
あ、ターレット・トラックだ。
「へ~よく知ってるね」
築地に詳しい友達がいるんですよ。
「あの手前の荷車、ここではネコっていうんだよ。業者さんが仲卸で買ったものを、仲卸の人が車まで運んでくれるの。で、それを引く人をネコヒキって言うの」
・・・なんて言っているうちに青果売場。ここでは「やおや」。築地では「やっちゃば」ですよね。
椎茸を真剣に選ぶ大将。
木の芽も・・・
「はい。今日の買い物はこれでおしまい」
???へぇ~・・・これ買うためだけにわざわざ来たの?ヘンだなぁ~。でもまあそうなら仕方がないね。
それじゃあ、今晩お店に食べに行きますね。今日はありがとうございました。
・・・と大将と別れたワタクシ。あ~~ん。よく考えてみれば、そんな寿司屋の買い出しがあるはずございませんでしょ!大将にまんまとしてやられました!
ワタクシのいなくなったあと大将は魚屋に戻り、こだわりのネタをたっぷりと買い込んでいたのでした!
ミッション・インポッセブル。
ワタクシには自慢のネタを買い込む「味方屋」の大将の姿を撮影することはインポッセブルでしたぁー。・・・チャラリ~ン・チャララーン・チャラン♪
さていよいよ次回、「ザ・シェフリンク」第24番目のお店。「味方屋」で食べた悦楽の寿司。ご期待あれ!!
コメント
ド迫力写真の数々!マグロの解体には縮みあがっちゃいましたよ!ヒメにゃんは「マグロちょうだい☆」と隣で言ってます。
Posted by: バンビとヒメの姐 | 2007年5月15日 20:01
☆バンビとヒメの姐さん
ありゃま(><)縮み上がっちゃいました?ヒメにゃんがあの場にいたら大変だったでしょうね。
マグロ差し出されたときワタクシ思わずニャ~オと返事しそうでしたもの。
Posted by: 早坂 | 2007年5月15日 20:39
いよっ☆、待ってましたぁ~~~!!
今回、とにかく写真も文章も片っ端から永久保存版ですね!
神戸の水産仲卸って、スイカも売ってるんですねぇ~(笑)
イワシやキンメやマグロも魅力的なのですが、メイタと
呼ばれるチヌ!、こーゆー「釣り人向けの磯臭いネタ」が
その土地ならではの趣向で、興味シンシン☆です。
オリーバのパエリアに入っていたイカに似てるなんて、
そこまで脳内データベースと連動してるとは、さすが!!
記事内リンクまで盛って下さってありがとうございます♪
とにかく好きなだけコメントしたら記事より長くなりそう
なので(笑)ここまでにしますが、ほんまに嬉しい記事
でした。早坂様に大・大・大感謝っっっ☆ミ
Posted by: つきじろう | 2007年5月15日 20:46
☆つきじろうさん
ワタクシを中央卸売市場に駆り立てるまで感化してくださった方こそ、つきじろうさん、あなた様なのですよ~~(^◇^)
そう、マグロ味のスイカ!よく冷して食べましょう。
チヌって地域色なんですか。知りませんでした!市場では335枚写真を撮りました。その中にはもしかしたら他にも地域色の魚、混じっていたかな~?
そんなに喜んでいただけたらこちらも嬉しい限りです。朝早くて眠たかったのですが行ったかいがありました。
「味方屋」の大将が寿司ネタを買う姿をとらえることができなかったことだけが・・・ただただ心残り!もう!逃げるの上手いんだから(^^;
Posted by: 早坂 | 2007年5月15日 22:04
「ご期待あれ!」と言われても、
買ったのがしいたけと木の芽だけで
どういうお寿司を期待するんだぁあ!(笑)
お寿司って大阪と神戸でも違うんですか。
成り立ちからいろいろありますからね~
Posted by: ロレンス | 2007年5月16日 00:08
☆ロレンスさん
ああん。ロレンスさん、ここんとこ!ここんとこ!カンジンなとこ。チコッと読み落としてる。↓
>ワタクシのいなくなったあと大将は魚屋に戻り、こだわりのネタをたっぷりと買い込んでいたのでした!
大阪は箱寿司や巾着寿司のような細工寿司が多いように思います。
Posted by: 早坂 | 2007年5月16日 00:16
マグロ怖い☆
だから、あたしを怖がらせるには、
マグロと醤油とわさびをセット送るといいですよ
(* ̄m ̄) ププッ
Posted by: つたまる | 2007年5月16日 01:18
☆つたまるさん
つたまるさんはマグロ怖いんだ~。
私は脂ののったビーフが怖い~。それをミディアムレアで焼いてワサビ醤油で食べるのが一番怖い~(^O^)
Posted by: 早坂 | 2007年5月16日 09:30
なんと!
市場まで行っちゃったの?!
ビックリwww
朝日がとってもきれいね~♡
どんなお鮨が出てくるか楽しみだわ♡
Posted by: いぬこ | 2007年5月16日 18:17
すいません、岩牡蠣のくだりを単独の記事にしてもらえるとうれしいのですが…(笑)
Posted by: takapu | 2007年5月17日 00:12
☆いぬこさん
そう(^O^)卸売市場まで行っちゃいました~。
新鮮な魚ってこんなに綺麗なんだ!ってホント驚いちゃいましたよ。
卸売市場では一般の人は買えないんですけれども・・・「味方屋」さんであの新鮮なお魚たち、堪能いたしました♪お楽しみにね♡
Posted by: 早坂 | 2007年5月17日 12:53
☆takapuさん
すいませ~ん。↓のブログの続きに岩牡蠣特集、期待してるのですがーー(^O^)
http://takapu0214.main.jp/friedoysters/archives/2007_05.html
Posted by: 早坂 | 2007年5月17日 15:27