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2006年6月 5日

●N36.5 百万石の輝き

世界中から人と食文化の集まる街、神戸。さまざまな国の人々が独自のコミュニティーを築きつつ、適度な距離を保って平和に暮らしています。しかしその神戸の多彩な食文化といえども培われてせいぜい100年。

一方で、独自の輝きを放つ食文化を生み出す場所というものがあります。それは50年100年で培われたものではありません。気候風土と歴史が、数百年もの長い年月をかけて奇跡的とも言える仕方で生み出したものでもあるのです。

今日は私の秘密の隠れ家、加賀百万石、金沢からのレポートです。

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神戸から金沢へは名神高速と北陸道を使ってわずか4時間。北陸道に入ると空が一皮むけた涼やかな色へと変わってゆきます。

目指すはイタリアンレストラン「N36.5」。北緯36.5度に位置するので「N36.5」。「エヌ・サンロクゴ」と読むそうです。
一度で覚えられない名前です。何度足を運んでも「あの、N360??だったけかなんだっけか」とかつてのホンダの名車「Nコロ」と混同してしまいます。(ちなみに昔ダーリンがこれの白のバンを可愛がっていました。って関係ないけど・・・)「N36.5」は高尾の森に位置するリゾートホテル、金沢国際ホテルの中にあります。

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ホテルのフロントから迷路を彷徨うようにプール脇を抜けさらにテラコッタの長い階段を上ると、突然すり鉢山のってっぺんにいるかのような階段状になったレストランが現れます。

何という演出でしょう!ここまで客を喜ばせてくれるとは。総ガラス張りの窓からは緑の木々と暮れゆく金沢の街並。

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食事はまずソムリエとの食前酒選びと、この海の幸のテリーヌでゆっくりと始まります。テリーヌは小さな一品ではありますが、これでシェフの力量が測られる料理でもありかなり工夫を凝らしているはず。

やはり!日本海のタラを使っていました。ここのレストランは冬にはタラのブイヤベースもするんです。白子もたっぷり入れて・・・。厨房の冷蔵庫を開けるとタラがべろ~~んって二匹ほど寝そべっている、とおしゃべりなソムリエ君が言っていました。

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続いてサザエの香草バター焼き。香草とバターのえもいわれぬ味わいにズビッと汁まで飲み干してしまいました。

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さらにまだ前菜が続きます。松茸、アスパラ、生ハムのスパゲティー。生ハムのちょうどいい塩気がアスパラと松茸の香りを引き立てています。麺はつるつるのシコシコです。以前、イタリアの硬水でゆでるとこんな感じになるって聞いたような気もするけど、まさかな~そこまではしてないと思う、けど・・・。尋ねればよかった、ソムリエ君に。で、驚くなかれここまでが前菜なんですね。

これからが本番。

白身魚の香草焼き・季節野菜添えが出てきました。エントリーにある写真です。金沢ではノドグロと呼ばれている魚です。パリッと塩焼きされてます。よっぽど新鮮だったんでしょうね、ナイフを入れると皮がパチッてはじけちゃいましたよ。めちゃくちゃおいしーーー。

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そして豪州産交雑牛ヒレ肉の炭火焼き。交雑牛というのはホルスタインなどの乳牛に産ませた牛のことです。気のせいかもしれないけれど牛乳っぽい味がします。しかもそれがヒレで炭火焼き。もう、どんなか、分かりますでしょ?ブハッと乳っぽい牛肉の味がして炭の香りが駆け抜けていくのですよ、鼻を!うひょ~~~ん、しあわせー。

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で、デザート。手前の緑のピスタチオのジェラートが美味しすぎて、向こう側のデザートどんなだったか忘れました。ピスタチオのジェラートはここのシェフのアイデアらしくて、ピスタチオの殻を一つずつ剥いてペーストにして作ったそうです。私はこれがかなり気に入りました。例えていうならば「すはま」のような味です。ピスタチオの香ばしさ苦味がピチピチ生きてました。

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最後はカプチーノで締めくくり。

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右のソムリエ君とも楽しくおしゃべりして、ゆうに4時間かけて夕食を終えることが出来ました。
左の渋いお兄さん、水を注いでるだけなのになんでそんなにカッコイイの?

金沢のよさは人のよさでもあるんです。気の利いたおしゃべりと引き際のよさ、そして敬意のこもった態度。人との距離のとり方がさっぱりしていて、都会人を感じさせます。

近いうちまた参りますので、楽しくおしゃべりいたしましょうね。ご馳走さまでした。

早坂

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