●【番外 気になっていたお店レポート】久々に触れた日本のもてなしの心~神戸・熊内 「西村屋 熊内茶寮」
今日は珍しく琴の音なぞに耳を傾けつつ、奥ゆかしき日本の心づかいに触れてみようではございませぬか・・・・(~。~)
以前お伺いいたしました日本料理→「植むら」の料理長、植村さんがかつておられたお店。神戸は熊内町 →「西村屋 熊内茶寮」。
夜ともなれば黒塗りの大型ハイヤーが・・・はたまた社用車が、後部座席に銀髪の紳士を乗せて出たり入ったり~。ワタクシなぞには関係ないお店と思っておりましたところ・・・あら、なによ!お昼、3,990円からあるではござんせんか・・・→→→直行です(-。ー;
熊内とは「くもち」と読み「神」を「熊」とも呼び習わした太古の昔からの地。
ヨーロッパの商人たちが一攫千金の夢を見て北野にコロニアル様式の洋館を建てる中、生田川を一筋へだてたこの熊内も高級住宅地化していったのでございます。
この急斜面の谷底に向かって建てられた白いタイルの高級アパートメント。谷の樹々に隠れるかのようにひっそりとたたずむ小さなお店。これが→「西村屋 熊内茶寮」にございます。
150年の歴史を誇り多くの文豪、芸術家たちに愛された城崎の→「西村屋」がここにひっそりと店を構えているのも、楽しいものです。
まずはほうじ茶とお絞りで・・・ほっ。
左のテーブルの四角く区切られているのは電磁調理器。ここで鍋もできるようになっています。
さっそく、アツアツの百合根のスープ。外が寒かっただけあってジワ~ンと温まってきました。真ん中の赤いのは京人参。浅葱を散らしています。
熱いものは熱く・・・心配りが生きていますわね。ほんのり甘くて・・・ちょっぴり酸っぱいアクセント・・・この酸っぱいのは何かしら?
ワタクシのテーブルのお世話をしてくださる大町榮子さん。着物姿もはんなりと・・・なんとも温かい笑顔の方です。
後ろの大きな窓は、目の覚めるような冬の林。建物ばかりの一角にあるお店とは思えません。
八寸が出てまいりました。器も古典的な落ち着いたものを使っています。
筍の土佐煮・・・蓮根の奥は銀ダラの西京漬け。右奥が梅のゼリー寄せです。
ガラスの器に入った豆乳豆腐。ねっとりとしているから、てっきりゴマ豆腐かと思っちゃいましてよ♪
地鶏の八幡巻。
そして子持ち昆布と思いきや・・・数の子と昆布?大町さん確かそうおっしゃいましたが・・・そ~なのかー(◎。◎)・・・お味は・・・確かに数の子?
じゃあ、子持ち昆布ってナニ?
で調べてみましたら子持ち昆布は、鰊が昆布に卵を産みつけたもの・・・鰊の卵は数の子・・・数の子~?あじゃん?じゃあなんで子持ち昆布じゃないのだ?(・。・?
と思ってさらに調べてみれば・・・鰊を囲い込んで無理やり卵を昆布に産み付けさせたり、人工的にくっ付けたりして作ることが多いそうです。だからこれもあえて数の子と昆布という言い方をなさったんでしょうね~(~。~) 名門旅館は大変だわ(><; あらん、いっしゅん琴の音が聞こえなくなっておりましたわ(^。^;
お次は蓮根と小豆の煮しめ。2枚重ねた蓮根の重なった穴のいくつかに小豆を一粒詰め込んでますので、2枚離れません。芸が細かい!!
そして黒豆とカマンベールチーズ。こういう変化球、実はほしかったんです!
白木と土壁の空間は落ち着きますわね。
鰤のお造り。旬ですね♪
たっぷりと脂が乗って、こっくり美味しい~(^。^)/
満席ですがここまでゆとりを持たせていると気にならないものですね~。
茶美豚のソテーです。ここでも再びお皿に目が奪われます。
しかし誰が考えたんでしょうね~。豚にお茶の葉を食べさせると臭みが少なくなるって。
ジューシーで、美味しい(^O^V 積み重ねて盛り付けていたので見た目よりかなりのボリュームです。
あちこちに大胆に生けられた花。ゴージャスです!
銅の平鍋に火がついて・・・だしが煮えてきましたけれど(・。・?
わっすごい!蛸のしゃぶしゃぶですね。
まずは、煮えにくいものを入れて・・・再び煮だってきたら~しゃぶ。一瞬のほうが蛸の旨味が濃くって美味しいですね。もともと生で食べてもよさそうなくらいですもの・・・しゃぶ!・・・じゃなくてシャキン!くらいかな(^◇^)
お食事の時間です。綺麗な高菜ご飯~。山椒ちりめんも丹念にご飯粒を壊さないように混ぜ込んでいますよ。
全体はこんな感じー。
赤出汁と・・・
香の物・・・。
さりげなく置いてある鉄瓶。・・・・・・・・(・。・)なぜに鉄瓶?
よく冷やしたロイヤルコペンハーゲンに、ヨーグルトのムースと黒豆のアイス。苺は底を生クリームでお皿にくっつけてありました(^◇^m転がっちゃうもんね。
黒豆のアイス。クリームが黒豆に負けずこってりとして美味し~(●。●)
ごちそうさま~。今日は久々に落ち着いてゆったりさせていただきました。
お昼の閉店間際。まだ残っておられた調理主任の臼井 秀夫さんと「おかあさん」。だって、臼井さんやほかの人から「おかあさん」って呼ばれていたんですもの。なんだかいい風情ですね。
白い侘助椿が二輪、「おかあさん」と共に最後まで見送ってくれていました。
気に入っていただけたらクリックよろしくお願いしま~す♪ペコリ!
西村屋 熊内茶寮
神戸市中央区熊内町1-8-23 グランドール熊内BF
TEL 078(231)6767
営業時間 11:30~14:00
17:00~21:30
コメント
料理と器で一つの作品ですよね。
いい趣きのひと時、こういう時間をすごす事がとても大事に思えてきた今日この頃です。
Posted by: tak | 2008年1月29日 17:38
☆takさん
魯山人は料理に合う理想の器を求めて窯を開いたそうですが、takさんの言われるとおり料理と器で一つの完成品ですね。
土壁や木の柱、着物の衣擦れの音・・・それに伴う所作・・・。
何気ないいい趣のひと時。古いもののたくさん残っていた震災前は、もっと楽しんでいたような気がします。
Posted by: 早坂 | 2008年1月29日 18:33
うわ!素敵なお店。大きなガラスが目を引きますね。とても神戸らしいお店とお見受けしました。そして、お食事も、たこが出てきたり、最後に出てきたデザートも神戸らしいですね~♪子供は連れて行きたくないけれど、自分は行きたい!!
Posted by: kn_der | 2008年1月29日 19:01
☆kn_derさん
そういわれてみれば(●。●* 城崎の西村屋と感じていましたが、しゃぶしゃぶに蛸を使ったり・・・確かに神戸らしく考えてありますね。
あー(^◇^)お嬢ちゃんもフォーマルなワンピースを着てママと行きたいわよね~。
Posted by: 早坂 | 2008年1月29日 19:11
変化球あり~の、直球あり~ので、手の凝った感じのいいものが沢山出てきましたね!
旅館は高くて私たちの手に届きませんが、こちらなら無理をすれば何とかって感じです。
Posted by: やじきた | 2008年1月29日 20:21
☆やじきたさん
確かに旅館のおすそ分け(^O^)
そりゃ城崎に行って~カランコロンと西村屋に外湯から戻ってくれば・・・なんて寅さんの見る夢みたいですものね。
私はここで、その“感じ”を味わえただけでもう十分ですわ\(^◇^)/
Posted by: 早坂 | 2008年1月29日 20:28
老舗旅館のお店だけに落ち着いた感じですね。
それにしても左手だけで写真を撮るの、上手ですねぇ
それと四角く区切られているのは電磁調理器、と
伏線を張ったのかと思ったら固形燃料とは(笑)
Posted by: ロレンス | 2008年1月29日 21:40
☆ロレンスさん
握力が・・・かなりあるのですが関係ありますか?ファインダーの上部を眉毛の中の骨でガシッと押さえてカメラ固定させるんです・・・って不思議な会話ですね(^◇^m
伏線を張るためにはこのあたりのメニューで↓
http://www.nishimuraya-fc.com/kaniryouri/kumochi_kani.html
ワタクシ、初めてのお店では一番安いメニューしか選びませんの 6(^O^)
Posted by: 早坂 | 2008年1月29日 23:32
た~こ~しゃ~ぶぅぅ~☆
そうか!ボイル蛸が美味しいなら、しゃぶしゃぶは
さらに美味しいに違いない!
タコの本場なら、これは絶対いただきたい逸品ですね。
「数の子と昆布」ってのは、かなり興味をひかれました。
こんど築地でも商品名に注意してみましょう・・・
Posted by: つきじろう | 2008年1月31日 07:15
☆つきじろうさん
新鮮な蛸の薄切り、しゃぶっ!!いいですよ~☆旨味が口中広がって。で、一回ずつ鍋につけるやり方で味が微妙に違うんですよー。もっとそこんとこ、ワタクシも研究したい\(^O^)/
「数の子と昆布」。子持ち昆布じゃないんですか・・・と聞くと「いいえ。昆布に数の子を付けたものです」と・・・。
ニシンのお母さんが自分で付けたい昆布につけたものしか子持ち昆布とはいえないんでしょうね~。
パック寿司の偽イクラ。あれのは誰も文句は言いません(^◇^V
Posted by: 早坂 | 2008年1月31日 12:09
ふうむ、師匠の後の書き込みで少し気が張りますが・・・(*^_^*)
西村屋さんといえば三宮海側のお手軽ランチ(松花堂弁当?)のお店しか行ったことありません。
もともとは本店サンは城崎の老舗旅館なんですね。
冬場のカニすき、一度食べてみたいなぁ…と思いながら一度も…(涙
こちらはお値段はぐっと張るようですが、豆乳豆腐?のトッピングや赤だしは懐かしい味を思い出すようです。
そうそう、こちらのわさび、すごウマじゃなかったでしたっけ?人の残ったわさびを頂いてごはんに乗せて食べるのが定番だったような気がします。
たこしゃぶ、いいなぁ!
こういうそぎ切りがまたいいんでしょうね。
削ぐ前に軽ーく湯通ししてあるんでしょうか。生のまんまだと削ぎにくそう・・・
真似してみようっと!
Posted by: midori | 2008年1月31日 20:34
☆midoriさん
つきじろう師匠に続きましてはクリオネ亭midori! パチパチパチパチ・・(^O^)
・・・てーと、磯上ガレージの隣?裏?だっけかの「千となんとかのかみかくし」に出てくるお風呂屋さんみたいなところですか~。もうそれでバッチシですよ~。
一方こちらは隠れ家的な店で、でかい商談落ち着いてバッチシ決めるときに使うんでしょうね~・・・なんて想像ですからね(><)
わさびは、もう絶対に「笑いながらのの字を書いて」すってますよ!!風味があったピリピリしませんでしたもの。
蛸はまさにしゃぶしゃぶにはこの削ぎ切りですわん♪midoriさん鋭い!確かに湯通ししてます。
この削いだときに出来る繊維の微妙なくぼみに蛸の旨味と出汁の旨味が交じり合うんですよ~(@。@
Posted by: 早坂 | 2008年1月31日 21:32