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2006年6月27日

●時を超えた究極の一杯!「にしむら珈琲北野坂店」

神戸には「宮水」と呼ばれる水があります。厳密に言えば西宮のある浅い井戸から湧き出ている水です。

19世紀のこと、灘の生一本を全国的に有名ならしめた桜正宗酒造の山邑太左衛門が、魚崎郷と西宮郷の水質の違いを発見。いずれも井戸水を使い同様の手法で作ったはずの酒の味が二つの郷で全く違うことに着目したのが、「宮水」発見のきっかけでした。元々絶品と呼ばれた灘のお酒。しかし、中でも西宮郷の水で作った酒の味は格別でした。こうして「宮水」の伝説は日本中に知れ渡っていきます。

その飛び切り美味しい「宮水」だけを使って珈琲を淹れているのが「にしむら珈琲」です。今回は数ある「にしむら珈琲」のお店の中から特にとっておきの一店をご紹介します。

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今日も水がやってくる。「宮水」とも呼ばれ世界的にも有名な神戸ウォーターを樽に詰めて。

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ツタの絡まる坂の途中の洋館。出迎えるのは洋館の女主人でしょうか?遠くからカメラの望遠レンズでのぞいていると「オーホッホッホッホッ~」って不気味な声がどこからともなく聴こえてきそうな…。(な~んてことはありません。写真クリックしてみて♪)

ここは「にしむら珈琲」の北野坂店。この有名店、実は震災までは会員制で一般人は入れませんでした。

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と言うことは押しも押されもせぬ一般人の私早坂としては、入らにゃ損ソン。

でも入口は鬱蒼としたツタに覆われ木が茂り打ち水がしてあります。狭く奥に深い。それでも入ってくるのかね、君は?と言われているみたい・・・。

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入口にたどり着き、やっとウエルカムな雰囲気を感じました。

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ドアを開けると、まるでレンブラントの絵に出てきそうな、時代を超越した黒のロングスカートのウエートレスのお姉さんが衣擦れの音とともに笑顔で出迎えてくれます。最初はちょっと遠慮気味に後姿だけパチリ。

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使い込まれた銀製の砂糖とクリーム壷。断っておきますが、メッキじゃないですよ。何気に持ち上げるとひっくり返るほど重いんですから。

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ミルフィーユっぽいケーキを注文しました。トッピングはゴールドキーウィ。ラズベリーはちゃんと起毛してますでしょ?冷凍じゃない証拠ですよ。葡萄は巨峰、チェリーは・・・んん、なんだろう?

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名前のかっこよさに惹かれて注文したグァテマラ。まったくエグミのない、想像しうる限り最高の香ばしさだけを集めた究極の一杯。私の人生で味わった2番目に美味しい珈琲でした。(←ちょっとカッコつけて謎を残す)

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緑したたる窓辺。アジサイが今満開です。

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「ボーン。ボーン。ボーン」。大きな音で3時の時を打って私を驚かせた「おじいさんの時計」。その横で華やぐ可愛いウエートレスさん。

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タイムスリップしたかのような店内。鏡の中央には気になる棚が。中には何が入っているんだろう・・・。

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覗いてみて、びっくり。銀製のミニチュアです。ヨーロッパ旅行のたびにこつこつと集めたのでしょうか。

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再び露のしたたるアジサイの花の間を抜けて明るい外界に出ました。

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私が子供の頃にはこういうエキゾチックでちょっと謎めいた雰囲気のお店やお屋敷が神戸にはたくさんありました。陰影礼賛ではありませんが、この北野坂店のような文化の余剰と言うべき神戸らしい店にはいつまでも残リ続けて欲しいものです。

というわけで、きょうはとっておきのお店「にしむら珈琲」の北野坂店からのレポートでした!

早坂

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北野坂 にしむら珈琲店
神戸市中央区山本通2-1-20
TEL 078-242-2467
10:00~22:00(2Fレストランは11:00~20:30)
定休日 無休

グァテマラ珈琲・・・・・・900円
ケーキ&ブレンド珈琲・・・・1100円

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コメント

コーヒーは本当に水のよしあしでますよね
でも いろんなところに名水はありますが
宮水とは 名前からもすごそうで
美味しそうな水ですね
行って見たいですね
いろんな情報ありがとうございます

「宮水」やそれに近い水は海の近くの井戸からよく出るみたいで、ポリタンクで水をもらいにいく人の姿をときどき見かけます。
確かに珈琲や紅茶(紅茶は特に色)に変化、出ますね。味も「豆、変えたの?」ってくらい変わります。
きっとお豆腐もそうなんでしょうね。
以前、お米の産地の水でお米を研いで炊くと美味しい、と聞いたことさえあります。
お水って奥が深いですね。

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