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2006年06月01日

●神戸開花亭

昔むかし、私が少々文学少女を気取っていた頃のこと(あ~こっぱずかし~!)。何気に読んだドストエフスキーの小説の一文に「カツレツのような頬髭の男」(!)という下りがありました。

「カツレツのような頬髭」

いったいどんな髭なんですかね。ロシア人なんだから、当然髭の色もこんがりキツネ色なんでしょうね。左右のほっぺにハの字型にカツレツくっつけた男。

題名もストーリーもまったく覚えてません。ただ覚えているのは、その時何だか猛烈にカツレツが食べたくなったということです。

そして今、文学少女時代からウン十年を経て「神戸開花亭」にカツレツを食べに足繁く私が通うのはその「カツレツのような頬髭の男」のせいでもあるのではないかと、まあ思うわけです。

で、これがその髭、じゃなくてカツレツです。ただしこれはロシアではなく「ウィーン風ポークカツレツ」。

しかし、この髭・・・じゃなくて(><)このカツレツほどワタクシのイメージするドストエフスキーの描いた男の「カツレツのような頬髭」にピッタリとくるカツレツはないんですよね。

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それにしても、「開花亭」のテーブルに着きその日のオーダーを済まして待っている時、いつだって「あ~来て良かった」という気分になるのは、なぜなんでしょう。

場所は神戸大丸9階のレストラン街。他にも中華に和食にイタリアンといろいろおいしい店もあるのに、結局何だかいつも「開花亭」を選んでしまいます。あの昔から変わらない、古き良き港町神戸のちょっとレトロでモダンな雰囲気がいいのかな・・・。

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それにピシッと一分の隙もないテーブルセッティングと、気の利いたギャルソンの対応も安心感を抱かせてくれます。

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椅子の上に置いたバッグに料理のシミがつかないようさり気なく白い布をかける心地よい気配り。静かで品のいいギャルソンは、ちょっと声をかけるだけですぐにこやかに近づいてきて、たとえば・・・カフェイン抜きの飲み物の相談にのってくれたります。

さて、肝心のカツレツですが、やわらかいポークは見事に叩かれペッタンコ。当然、スジや脂のかたまりはありませんよ。ごく少量の油でパリッパリに仕上がってます。ウスターソースで食べても美味しいけど、私は輪切りゆで玉子の上に乗ってるアンチョビをナイフで塗りつけて食べることをおススメしちゃうかな。こくのある深ーい味になります。

でもホントは、おせんべいみたいにそのままガリガリかじってみたいな。人目がなければの話だけど・・・。それくらいパリッとしてるんだよね。

それからカツレツに隠れちゃってますがまあるくくり抜いたにんじん、とっ~ても甘いです。

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心もお腹も程よく満ちて外に出れば、いつ来ても気持ちのいい、オシャレな夜の旧居留地。ちなみにマイ・ダーリンは「ここが神戸のベストプレイス!」と断言しています。明治初期の神戸港開港期にイギリス人技師J.W.ハートが設計を担当した完全に西欧人スタイルの街で、威風堂々とした当時の石造りの建物が今も保存、活用されています。

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この建物はアフタヌーンカフェも入っている「旧居留地38番館」。渋くてカッコイイです。「神戸開花亭」のある神戸大丸の南口はこの建物に続く西隣。

というわけで今日は、ドストエフスキーもきっと左右のほっぺにウィーン風ポークカツレツくっ付けたくなったに違いない「神戸開花亭」からのレポートでした。


早坂

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